ユングもびっくり！　超入門般若心経3

投稿：2016年10月14日

前回は一行目を解説しました。

今回はその中の「照見五藴皆空（しょうけんごうんかいくう）」の「五蘊」について少し詳しく解説してみます。

五蘊は般若心経のキモなので、ここを押さえておけばお経をもっと味わい深く楽しめますよ。

五蘊　色・受・想・行・識

「五蘊」とは「心」「心を五つの要素に分けたもの」です。

五つとは「色・受・想・行・識」です。

それぞれ見ていきますと

「色」は、出来事や物事です。

「受」は、その色を受け取った、もしくは認識する事です。

「想」は、受け取ったり、認識したらどのように思うか、考えるか。

「行」は、その考えからどのような行動をするか。

「想」は、考えや行動が認識される、心に残る。

これらを見てわかるように、五蘊とは心そのものというより、ある出来事（色）に対する心の動きと思って下さい。

少し解りいにくいので「おまんじゅう」を例にお話ししたいと思います。

色（しき）　おまんじゅう

おまんじゅうは、誰が見てもおまんじゅうです。

このような物体や出来事などは「色」となります。

受（じゅ）　おまんじゅうをもらいました

おまんじゅうをもらったということは手で受け取ったことですね。

手の感覚として、おまんじゅうが認識されたわけです。

目で見て認識しました、もしかしてにおいをかいだかも知れません。
「受」とは「眼でみる・耳で聞く・鼻でかぐ・口で味わう・触る」すなわち五感で感じて認識する事です。

色・受までは万人共通

ここまでは万人共通のものです。

おまんじゅうは、誰が見てもおまんじゅうです。

おまんじゅうを渡されて、ラーメンを渡されたと思う人はいませんね。

想（そう）　運命の分かれ道

おまんじゅうをもらったらどのように「思い」「考える」かは、人によって違います。

Aさんは「美味しそうなおまんじゅうだな」「うれしいな」と思うでしょう。

Bさんは「ボクのだけ小さなおまんじゅうかよ」とか「甘いものはキライだよ」と考えるかもしれません。

ここが運命の分かれ道です。

行（ぎょう）　どのような行動に出るか

「行」は「想」の考えからどのように行動するかです。

「美味しそうなおまんじゅうだな」「うれしいな」と思ったAさんは「感謝の気持ち」「笑顔」などの行動になるでしょう。

「ボクのだけ小さなおまんじゅうかよ」「甘いものはキライだよ」と思ったBさんは「不満の気持ち」「沈んだ顔」などの行動になるでしょう。

識に記憶として蓄積されます

「想い」と「行動」が合わされば強固な記憶となり新しい記憶すなわち「識」となります。

「感謝の気持ち」「笑顔」のAさんの新しい記憶には、感謝と感動の記憶。

「不満の気持ち」「沈んだ顔」のBさんの新しい記憶には、不平と不満の記憶が意識にきおくとして蓄積されていきます。

また、おまんじゅうをもらいました

さて、またおまんじゅうをもらったらどうなるでしょうか。

「色」「受」までは二人とも一緒です。

では「想」はどうでしょうか。

「識」に加えられた記憶がそのまま「想」となってしまいます。
前回、何となく思っていた感情がそのまま出てしまいます。

Aさんは「美味しそうなおまんじゅうだな」、Bさんは「ボクのだけ小さなおまんじゅうかよ」となります。

逆の考え方になることはありません。それは、「想」で起こる「考え」は自分の経験や記憶以外から起きないからです。

すなわち「識」蓄積された記憶からしかお「想」は起きません。
「行」「識」も同様の経路を辿ります。
さらにその思いは何回も繰り返される度に「ブースト」していきます。

ですから、Aさんはおまんじゅうをもらうたびに感謝の気持ちがブーストされて蓄積されハッピーになり、Bさんは不平と不満が更にブーストされて蓄積すされて、どんどんと不幸な気持ちになっていきます。

同じおまんじゅうをもらっただけなのにこうも変わってしまいます。